千葉県松戸市の中小企業診断士の津田です。今回は小規模企業が生成AI(ChatGPTなど)を活用する意義について考えてみます。

経営には経営資源と能力が大事

経営資源とはお金を生み出す有形無形の資産です。 例えば人、土地や設備、商品、ノウハウ、お金、ネットワーク、権利などを言います。

能力とは資源を効果的に活用して利益を上げる能力です。例えば戦略、技術、販売、運営、開発などを企画し実行する組織の力、あるいは、個人が持っている創造性、スキル、個人の技術や能力が挙げられます。

この経営資源と能力を組み合わせて生み出される①価値があり、②希少で、③模倣困難な④組織的能力をケイパビリティと言います。生成AIはこれらの能力の補完、強化に効いてきます。アイデア次第です。

人材はますます貴重に

話は変わって、最近、特に顕著な課題は人材不足です。やっと採用してもなかなか人材が定着しない。

出生数は、1973年は209万人、2000年に120万人 2023年は75万人。 もう人が減るのは確定している訳です。

皆さんはどう対処しますか?

人材の奪い合いをするのでしょうか。大企業であればIT人材が日本では確保できなくなるため、早々に部門を海外に移転してしまったというようなケースもあります。しかし、小規模事業者ではそうはいきません。

その中で注目されているのは生産性の向上としてのデジタル活用です。しかし、

・まず、何から初めて良いかわからない。

・費用対効果が分からず、投資する判断ができない。

・投資しても従業員の仕事が減るだけで空いた時間遊ばせることになる。

・任せられる人材がいない。

・セキュリティなどリスクも不安だ。

・従業員が上手くやっているから変える必要もない。

・変えようとすると抵抗を受ける。

・体を使った仕事だからデジタルの活用の意味が見いだせない。

など、やらない理由、出来ない理由はたくさんあります。

デジタルを実践して成功体験を

それでも一歩進めて行くためにどうすればよいでしょうか。

それは自社のデジタル活用能力を高めていくことと考えています。

一人ひとりがデジタル活用を勉強して、工夫して、実践するということです。 小さく初めて成功体験を積んでいく。そのためにまず自分でやってみる事がとても重要です。

ベンダー任せでやってもらうのではない、自分でやることが大事だと思います。自分でやらないといつまでも出来ないままです。

そもそもデジタル人材を外部から採用することは困難です。デジタル系の人材は給与も非常に高くなっており、完全に売り手市場です。社内にデジタル人材がいなければ競争力に差が開く一方だと思います。だから自分達で始めるしかありません。

そんな中、ChatGPTなどの生成AIはプロンプト次第で色々なことが出来ます。デジタルの知識は不要です。アイデア次第です。 一人ひとりで仕事が違うのと同じで上手な活用方法は違います。まずは使ってみて自分の仕事に活かすことから始めてみることが近道です。理屈は使ってから考えれば良いです。

自社の課題を解決するためにどう使うかというアプローチよりも、まずは一人ひとりが使ってみて自分の仕事にどう活かせるか、技術的な限界は何かなどを理解することが最初のステップです。

目的は?戦略は?課題は?コストは?効果は?リスクは?などと、大きな難しい話にしないで、もっと身近な個人の仕事の道具として取り入れてみて、成功体験を積み上げていく。 この事が重要ではないかと思います。

人材は貴重です。自動化や効率化をして削減するものではなく大きな戦力です。仕事が効率化出来たなら付加価値を高める仕事にシフトしていきましょう。

一人ひとりがデジタル活用能力を持つことで、企業全体が変わっていく。高まっていく。 その結果として生産的で創造的な高付加価値な仕事に変わっていくような好循環を作り出したいものです。

ITを導入するという考え方ではなく、デジタルを身にまとった 一人の変化が周りを変えて組織が変わっていく。 それが小規模企業にとっての、トランスフォーメーションの進め方ではないかと私は考えます。

今こそ、行動するチャンスです。

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カテゴリー: 雑記