ボトルネックがどこにあるのかというのを意識したことはありますか?

ボトルネックとはbottle neck(瓶の首)からきています。例えば瓶の中の水を出す時、首の部分が狭ければ、広い場合に比べて水の出る量(スループット)が変わるため、広い方が短時間に多くの水が出せます。

業務の流れに置き換えて考えてみると、営業活動から業務を処理して請求、入金と完了するまでの流れを水とすると、この流れが早い方が水をたくさん処理できる、つまり短い時間で大量に処理できる。生産性が高い。(投入量/時間)ということになります。

もし、ボトルネック以外を広げたとしたら水量は増えるでしょうか?増えないです。

会社の業務は分業していますから、複数の担当者、複数の部門にまたがって仕事が流れていきます。自分の手を離れた仕事、後工程がどのように処理されているのか、または前工程で何をやっているのか把握していないということはモノづくりでない業務の場合は結構あるあるです。

このプロセス全体を見渡してボトルネックを探していくということが重要です。自分の仕事だけ早くしてもボトルネックでなければ自己満足となります。例えばとっくに納品したのに請求書発行に時間がかかり入金が遅くなるとかこうしたことってありますよね。これは会社の経営の視点から見れば売掛金の期間が長くなるということで良くないですね。

自分以外、自部門でなければ関係ないということではなくプロセス全体から最適化する、ボトルネックの処理を早くできるように工夫するという視点を持つことで会社の財務諸表に効いてくる効果が出てくるのではないでしょうか。

なお、ボトルネックは生き物のように変化します。一つのボトルネックを解消すると、次に狭いところがボトルネックとなります。すると次はここを改善することとなります。

ボトルネックは特定のプロセスだけではなく、整理整頓、情報共有、イレギュラー対応を無くすことなど、仕事環境を改善することで処理スピードが上がり(水の流れが早くなり)生産性の向上につながることもあります。

私が経験した限りでは中小企業のみなさんIT化が遅れていてとか苦手だとかおっしゃいますが、特にコミュニケーションツールについてはかなり活用が進んでいると個人的肌感覚ですが感じます。

しかし、仕事の中身を分析し、ムダ、ムリ、ムラ、標準化、共通化、共有化といった部分や価値提供につながっている業務プロセスが何で、何を変えてはいけないのかなど本質的な部分を踏まえた生産性向上施策はこれからといった感じではないでしょうか。

ということで今回はボトルネックという視点から生産性向上について考えてみました。

次回は現状分析について考えてみたいと思います。

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