皆さんこんにちは。デジタルツール・生成AI活用アドバイザーの津田淳(中小企業診断士)です。
前回は、生産性向上の第一歩として「見える化」の重要性についてお話ししました。
今回は、生産性向上に向けた具体的なステップを順を追ってご紹介したいと思います。
これらのステップは、組織が効率的かつ持続的に成果を上げていくための基本的な流れです。
生産性向上のための7つのステップ
ステップ1: 現状分析
まず、現状を正確に把握することが生産性向上の出発点です。データ収集やプロセスマッピングを行い、現在の課題やボトルネックを明確にすることで、効果的な改善策を立案するための土台を築きます。
ステップ2: 目標設定(KPI)
次に、具体的な目標(KPI)を設定します。目標が明確であればあるほど、取り組みの方向性が定まり、成果を評価しやすくなります。KPIは、達成すべき目標を数値化し、モチベーションや進捗管理の指標として機能します。
ステップ3: 見える化と問題分析
業務プロセスの「見える化」を進め、各ステップの効率や問題点を可視化します。見える化により、現場での具体的な改善ポイントが浮き彫りになり、原因分析がしやすくなります。これが、改善活動の実効性を高める基盤となります。
ステップ4: アクションプラン作成
問題点が特定できたら、具体的な改善施策を含むアクションプランを作成します。行動計画は現実的で、かつ実行可能な内容であることが重要です。また、優先順位をつけ、リソースを効率的に割り当てることで、より高い効果が期待できます。
ステップ5: 実行とフォローアップ
アクションプランに基づき、改善策を実行します。進捗状況を定期的にフォローアップし、問題があれば柔軟に対応することで、計画の効果を最大化します。ここでの注意点は、単なる実行にとどまらず、日々の進捗を確認しながら継続的に改善を図ることです。
ステップ6: レビューとフィードバック
実行結果を評価し、フィードバックを得るプロセスです。達成度合いや成果を見直し、必要な改善点や新たな課題を洗い出します。レビューの際には、KPIとの比較により成果を測定し、組織全体で成果や課題を共有します。
ステップ7: 継続的改善
生産性向上は、一度の施策で終わるものではなく、継続的な改善が重要です。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回しながら、定期的に見直しと改善を繰り返すことで、組織の生産性と競争力を持続的に向上させることができます。
しかし、効率を追求するあまり、競争力を失ってはなりません。
考えさせられるポイント1: 効率と付加価値のバランス
効率を追求するあまり、付加価値が犠牲になることがあります。例えば、業務を効率化するために自動化やITツールの活用を進めた結果、顧客との対話が減ってしまうといったケースです。
中小企業の場合は大企業とは規模や物量、知名度等が違うため、多くの場合は小回りを利かせて、融通がきく、地域密着型人間力で勝負しています。
つまり個の人間力が高いまたは小集団のチームワークが高いケースが多いです。ですが、お客さんとのコミュニケーションをメールで済ませようとする風潮があることについてです。
私はこの人間との接点を減らしてしまうことについて、場合によっては効率化すべき事もあろうと思います。ただし、お客さんとの関係性の維持・発展につながるようなお客さんとのリアルコミュニケーションは減らすべきではないと考えています。
BtoBサービス業の多くはお客さんとの関係性がビジネスの効果や顧客満足度に影響する場合が多く、またお客さんから得られる情報を蓄積することは重要です。私は電話や対面で言葉を交わすことはとても重要なコミュニケーションだと思っております。
リアルタイムに質問したりできるため情報を伝える面では効率的ですし、声の感じや表情で相手の事をさまざまに感じ取ることができ、こちらも表情や言い方などで気持ちを豊かに表現できます。
もちろんなんでもすぐ電話ということではありません。記録として残す必要もあると思いますし忙しい相手ならメールが良い場合もあります。相手や目的に応じたコミュニケーション手段を選んで使い分けていく事が重要です。
このように効率を追求することで付加価値を犠牲にしてしまう状況を避けるためには、効率化と付加価値の向上をバランスよく進める必要があります。
具体的には、経営理念やビジョン、中長期的な戦略、KPI(Key Performance Indicator)に基づいて改善を進めることが有効です。
考えさせられるポイント2: 組織レベルでの取り組み
個々の努力も重要ですが、組織全体での取り組みが不可欠です。生産性の向上が組織文化(組織の雰囲気や、人々が共通して持っている価値観、ルール)を形成するためには、トップダウンとボトムアップの両方からのアプローチが必要です。
例えば、経営層が明確なビジョンや方針を示すことで、従業員が自主的に行動できるような環境を作ることが重要です。そして基準により評価される事が士気を高めます。
従業員はマインドを変え積極的に、そして前向きに取り組んでいく姿勢が求められます。そしてそれらに協力する雰囲気をどう作れるかはリーダーの仕事となります。
今回は生産性向上のステップについて考えました。次回は現状分析について考えてみたいと思います。
それでは今回はこの辺で失礼します。
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