前回は生産性向上の重要なステップとして「見える化」の重要性に触れました。今回は、生産性向上のステップについて考えてみましょう。

生産性向上のためのステップは次のような流れになります。

ステップ1: 現状分析

  • 何をする: 今の業務フローをしっかり確認します。
  • なぜ: 何が効率的で何がそうでないかを知るため。

ステップ2: 目標設定(KPI)

  • 何をする: 目標(KPI)を設定します。
  • なぜ: どれだけ改善したいのか明確にするため。

ステップ3: 見える化、問題分析

  • 何をする: 業務データや進捗を見える化します。
  • なぜ: どこが問題点かすぐに分かるようにするため。

ステップ4: アクションプラン作成

  • 何をする: 具体的な改善策を計画します。
  • なぜ: ただ目標を持つだけではなく、どう達成するかの手段も必要なため。

ステップ5: 実行とフォローアップ

  • 何をする: 計画を実行し、定期的に結果をチェックします。
  • なぜ: 改善が実際に効果を出しているかを確認し、必要な調整をするため。

ステップ6: レビューとフィードバック

  • 何をする: 実施した改善策がどれだけ効果があったかを評価します。
  • なぜ: 次の改善に生かすため。

ステップ7: 継続的改善

  • 何をする: 新たな問題や課題に対して、ステップ1から繰り返します。
  • なぜ: 常に変化するビジネス環境に適応するため。

しかし、本当に効率を追求すれば良いのでしょうか。

考えさせられるポイント1: 効率と付加価値のバランス

効率を追求するあまり、付加価値が犠牲になることがあります。例えば、業務を効率化するために自動化やITツールの活用を進めた結果、顧客との対話が減ってしまうといったケースです。

中小企業の場合は大企業とは違い規模や物量、知名度やシステム等の利便性で勝負することは困難です。多くの場合は地域密着型人間力で勝負しています。

ですが、私自身の経験として考えさせられたのは、お客さんとのコミュニケーションをメールで済ませようとする風潮があることについてです。

BtoBサービス業の多くはお客さんとの関係性がビジネスの効果や顧客満足度に影響する場合が多く、またお客さんから得られる情報を蓄積することは重要です。私は電話や対面で言葉を交わすことはとても重要なコミュニケーションだと思っております。リアルタイムに質問したりできるため情報を伝える面では効率的ですし、声の感じや表情で相手の事をさまざまに感じ取ることができ、こちらも表情や言い方などで気持ちを豊かに表現できます。

もちろんなんでもすぐ電話ということではありません。記録として残す必要もあると思いますし忙しい相手ならメールが良い場合もあります。相手や目的に応じたコミュニケーション手段を選んで使い分けていく事が重要です。

このように効率を追求することで付加価値を犠牲にしてしまう状況を避けるためには、効率化と付加価値の向上をバランスよく進める必要があります。具体的には、経営理念やビジョン、中長期的な戦略、KPI(Key Performance Indicator)に基づいて改善を進めることが有効です。

考えさせられるポイント2: 組織レベルでの取り組み

個々の努力も重要ですが、組織全体での取り組みが不可欠です。組織文化を形成するためには、トップダウンとボトムアップの両方からのアプローチが必要です。例えば、経営層が明確なビジョンや方針を示すことで、従業員が自主的に行動できるような環境を作ることが重要です。

今回は生産性向上のステップについて考えました。次回は現状分析について考えてみたいと思います。

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