皆さんこんにちは。デジタルツール・生成AI活用アドバイザーの津田淳(中小企業診断士)です。

事業の成長を考えるにあたっては、自社の強みと弱みを認識する事はとても重要です。そこで今回は強みを洗い出す質問と弱みとは何かについて説明します。

中小企業へ訪問して話を伺うと、普通に行っている活動や行動の中には実はそれが強みを作っていると思われることに気が付きます。

なぜ気がつくかというと、我々コンサルタントはその企業の魅力や優れた点を理解しようと、客観的に考えるからです。長年顧客に支持されている理由、魅力や優れた点、提供している価値がわかると、その理由はなぜか?と考えます。人、技術、組織的活動、アイデア、企業文化、ネットワークなど様々です。

自社の強みとは何か?を知ることはさらにお客さんを喜ばせるために、選ばれるためには重要なことです。

それでは強みとはなんでしょうか?

強みとは、企業が競争優位を持ち、顧客から選ばれる理由、あるいは目標達成に有利となる内部資源や能力のことです。具体的には以下のような要素が含まれます。

目標達成に寄与する点:組織の柔軟性、イノベーション能力、従業員のスキルやモチベーションなど。

顧客から選ばれる点:製品やサービスの品質、価格、デザイン、ブランド力など。

競争に有利な点:技術力、コスト効率、流通ネットワーク、特許や知的財産など。

強みを明確にするためには、まずその基盤となる要素(「強みのもと」)を特定し、それを分類・ラベル付けすることが重要です。これにより、強みがどのように形成されているかを体系的に理解できます。

例:

1.商品力(Product Strength)

  • 高品質な製品設計
  • 独自の技術や特許
  • デザイン性や使いやすさ

2.ネットワーク力(Network Strength)

  • 広範な販売チャネル
  • 強固なサプライチェーン
  • パートナーシップやアライアンス

3.ブランド力(Brand Strength)

  • 高いブランド認知度
  • 顧客からの信頼
  • ブランドロイヤルティ

4.人材力(Human Resource Strength)

  • 専門知識と経験豊富なチーム
  • 継続的な教育・研修制度
  • 高い従業員満足度と低い離職率

企業が具体的な目標を設定した際に、その目標達成に最も寄与する強みを選定します。これにより、戦略的に強みを活用することが可能になります。

プロセス:

  1. 目標の明確化:短期・中期・長期の目標を具体的に設定します。
  2. 関連する強みの特定:設定した目標に対して、どの強みが最も効果的に貢献できるかを分析します。
  3. 強みの活用計画:選定した強みをどのように活用して目標を達成するかの具体的な計画を立てます。

強みの分類とラベル付け

強みを「商品力」「ネットワーク力」など一言で表せるカテゴリに分類することで、戦略策定やコミュニケーションが容易になります。これにより、社内外に対して強みを効果的に伝えることができます。

ポイント:

  • 一貫性:分類やラベル付けは一貫性を持たせ、全体像が把握しやすいようにします。
  • 具体性と抽象性のバランス:カテゴリは具体的すぎず、かつ抽象的すぎないように設定します。例えば、「技術力」はもう少し具体的に「R&D能力」や「イノベーション力」とすることも考えられます。
  • 優先順位の設定:全ての強みを平等に扱うのではなく、特に重要な強みを優先的に強調します。

ちなみに、経営学の本などを見ると、ケイパビリティ、コアコンピタンスなどという言葉が出てきますが、私にはいつも分かりにくい。ということで勝手にこう理解しています。(正しくないと思いますが)

ケイパビリティ:優れた事業運営能力

コアコンピタンス:圧倒的で誰も真似できない強み

強み:目標達成、競争優位、顧客から選ばれる価値を生み出す資産や能力

<強み発見のための質問リスト>

ステップ質問事項
1.顧客から見た価値の理解1.1 お客様が我々の製品やサービスを使う主な理由は何ですか?
1.2 お客様が最も価値を感じる製品やサービスの特性は何ですか?
1.3 お客様の困りごとや課題は何ですか?
1.4 我々の製品やサービスはそれをどのように解決していますか?
2.自社の活動のリスト作り2.1 お客様に価値を提供するために、我々は具体的に何をしていますか?
2.2 製品開発、マーケティング、販売、サービス提供等、各フェーズでの主要な活動は何ですか?
2.3 我々の活動がお客様のどのようなニーズに応えていますか?
3.価値提供に必要なもの(リソース、ケイパビリティの特定)3.1 これらの活動をするために必要なスキルや知識は何ですか?
3.2 物的な設備やツール、金融資源、情報など必要なリソースは何ですか? 3.3 それらは我々がどのように獲得・保持していますか?
4.自社の強みと弱みの識別4.1 我々の活動の中で、他社と比べて特に得意なことは何ですか?
4.2 その強みは何に由来していますか?(例えば、特殊なスキル、専門知識、特許等)
4.3 逆に他社に比べて不得意なこと、改善が必要な点は何ですか?
5.強みの活用と弱みの改善5.1 我々の強みをもっと活かすにはどうすればよいですか?新たな市場や顧客に提供できる方法は?
5.2 弱みを改善するためにはどのような対策が必要ですか?
5.3 今後の成長や改善のために何が必要ですか?

この質問に回答できたなら分析して言語化するのは生成AIに任せても良いでしょう。

<プロンプト例>

以下は、私たちの会社に関する情報です。この情報を基に、私たちの強みと弱みを明確かつ具体的に言語化してください。

---

**1. 顧客から見た価値の理解**
- **主な理由**:高精度な検索結果と迅速な情報提供。
- **価値を感じる特性**:検索の速度と正確性、ユーザーインターフェースの使いやすさ。
- **困りごと**:必要な情報を素早く見つけられないこと。
- **解決方法**:高度なアルゴリズムで関連性の高い検索結果を提供。

**2. 自社の活動のリスト作り**
- **具体的な活動**:継続的なアルゴリズムの改善、データ解析、ユーザー行動の分析。
- **各フェーズでの主要な活動**:
- 製品開発:新しい検索機能の開発。
- マーケティング:ユーザーのニーズを調査。
- 販売:ターゲット市場への展開。
- サービス提供:カスタマーサポートの強化。
- **ニーズへの応え方**:迅速かつ正確な情報提供を実現。

**3. 価値提供に必要なもの(リソース、ケイパビリティの特定)**
- **必要なスキルや知識**:機械学習、データサイエンス、ソフトウェア開発。
- **必要なリソース**:高性能なサーバー、データベース、開発ツール。
- **獲得・保持方法**:優秀な人材の採用、継続的な研修、最新技術の導入。

**4. 自社の強みと弱みの識別**
- **得意なこと**:高度なアルゴリズム開発能力とデータ解析力。
- **強みの由来**:専門知識を持つチーム、独自の研究開発プロセス。
- **不得意なこと、改善が必要な点**:新市場への展開経験不足、特定分野での競争力の低さ。

**5. 強みの活用と弱みの改善**
- **強みの活用方法**:新機能の迅速な開発、異業種とのコラボレーション。
- **弱みの改善策**:新市場へのマーケティング強化、特定分野の研究開発投資。
- **成長のために必要なこと**:グローバル展開、技術革新の継続。

---

この情報を基に、以下の項目について具体的な文章を作成してください。

1. **強み(Strengths)**
- 具体的な強みの説明
- 強みがどのように顧客に価値を提供しているか
- 強みの由来や根拠

2. **弱み(Weaknesses)**
- 具体的な弱みの説明
- 弱みがどのようにビジネスに影響を与えているか
- 弱みを改善するための提案

3. **説明後に箇条書きでまとめる**
- **強み**
- 〜な〜力
- 〜な〜力
- **弱み**
- 〜な〜力
- 〜な〜力

---

**出力例:**

### **強み(Strengths)**
当社の最大の強みは、高度な検索アルゴリズム開発能力と卓越したデータ解析力にあります。これらの強みは、専門知識を持つ開発チームと独自の研究開発プロセスによって支えられており、ユーザーに対して迅速かつ正確な検索結果を提供することが可能です。この結果、顧客は必要な情報を素早く見つけることができ、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与しています。

- **高度なアルゴリズム開発能力**
- **卓越したデータ解析力**

### **弱み(Weaknesses)**
一方で、当社の弱みは新市場への展開経験が不足している点と、特定分野での競争力が低いことです。これにより、新たな顧客層の獲得や市場シェアの拡大に課題があります。これらの弱みを改善するためには、マーケティング戦略の強化と特定分野における研究開発への投資が必要です。また、異業種とのコラボレーションを通じて、新市場への参入を促進することも有効です。

- **新市場への展開経験不足**
- **特定分野での競争力の低さ**

---

皆さん、強みはたくさん洗い出しができますが、実は弱みは洗い出しがなかなか難しいです。

弱みとは、ビジネスでのパフォーマンスや競争力に影響を及ぼす可能性のあるネガティブな要素や欠点を指します。特に他社が対応できていて自社が対応できていないこと、あるいは他社が特に優れている一方で自社が後れを取っている領域などによく見られます。

  1. 不十分なリソース:時間、金融資源、人的資源などが不足している場合。
  2. 技術的な遅れ:製品やサービスの技術が競合他社に比べて劣っている、または時代遅れである場合。
  3. スキルや能力の不足:スキルや能力が不足している、または特定の領域での専門知識が欠けている場合。
  4. 不十分なプロセス:効率性や生産性に影響を及ぼす可能性のある組織内のプロセスの存在。

弱みの改善も戦略の一つです。競争が激しい市場の場合は弱みは競合他社に利用される可能性があります。変化が激しい業界の場合は弱みが露呈しやすくなります。常にチェックして対応を検討していきたいものです。

それでは今回はこの辺で失礼します。

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